摩利支天尊御廟祭り この仏はインドの風神王に由来し、サンスクリット語で「マリーチィ」といい、光や炎陽炎、 蜃気楼という意味もさします。 容姿は猪に乗った姿が多いが、その本性が陽炎のため、 つかまえどころのないものとされています。我が国では昔から護国、護民の軍神・農神として 敬われ、特に相撲の力士に信仰されています、また忍者の甲賀三郎が地獄に堕ちた時、 助けたため忍者の守護神としても大切にされています。 当家に現存する御廟は文化初期の銘書が天井に遺つており、両側の狛犬や神明造の 御社が文化財登録指定の因となりました。御百度石や薬井戸枠遺講も残っております。 シーボルトの「日本」の表紙が摩利天尊降臨図なのも先祖が教示したのか不思議に思 われています。 当家では家の警護のため、湊由良右衛門などの相撲力士を数多く抱えていましたので 力士も信仰していた様です。毎年十一月の十六日にこの仏の大好物の大根と松茸を 御供えし家の繁栄を祈願いたします。他者不見の足利尊氏直伝の摩利支天尊の 印行図の軸一巻も片桐音之輔の花押付で伝承しています。 高野山宿坊伝来品と当家伝来の御姿図を紹介しておきます。 |