藤井玉洲親子の「禽譜」及び 「本草図」
望月玉泉門下の四条派の画家藤井玉洲が親子で嘉永年間より明治後期まで写生した、鳥類を主にした写生帳の集成で、実物の鳥の羽毛を貼付したものも数点あり、円山応擧の画風で生き生きとして細部まで描かれていて質量ともに当資料館の最良品に属するものの―つである。非常に多種の鳥を美しく、正確にしかも色々な角度で生態まで素描で記しているのは西欧の画家のドラクロワの虎の素描図に匹敵している。玉洲は京都画壇を代表してパリ万国博覧会のポスターを描いた力量の持ち主でもあった。
片桐棲龍堂漢方資料舘
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