国釋醫王耆婆傳 (江戸時代中期) 通称耆婆は梵字でJivaka又はJiva 印度の医師の名。又耆婆伽、 時傳迦、戸傳迦、祇婆、時婆耆域、奮婆、とも書き、活、能活、固活、 更活、更、壽命とも譯す。 医たらんとし、徳又戸羅国の賓迦羅に学ぶこと7年の後に、本国 婆迦陀城に帰り、諸人に施薬し、南方大国の残虐なる王の病を 全癒せしめて、仏に帰せしめ、世尊の風疾・阿那律の失明、阿難の 瘡を治療し医王と崇敬せらるるに至った。殊に阿闍世の父王殺害後、 悔恨の念を生ぜるに乗じ帰仏せしめたる事蹟は有名である。 本書は耆婆の生涯を著述したもので京都の光風書林の協力で収集 したもので杏雨、富士川以外に存在がない貴書である。 片桐棲龍堂 漢方資料館 参考出典仏教辞典禿氏祐祥著作昭和9年刊行 |