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高貴動物生薬「牛黄・ゴオウ」とは ひときわ価値ある高貴薬 《牛黄》 牛黄は"漢方のルーツ"とも言える5世紀以前に編まれた薬物書 『神農本草経』に記述されている生薬のなかで「上薬」に分類され、 「命を養う薬」として、毒がなく、量を多くのんだり長期にわたって 服用しても害が出ない薬とされています。 奈良東大寺の修二会(しゅにえ)でも無病息災のお守りとして授けられる 「牛黄宝印」・「牛玉」などとかかれた護符。 この護符の文字は 牛黄を入れた墨によって鮮やかに記されています。 その薬効として『神農本草経』には「驚癇寒熱 熱盛狂痙(きょうかんかんねつ ねっせいきょうけい)」という記述があります。 現代の言葉に直すと、驚いて卒倒した者や高熱で痙攣を起こした者、 精神異常をきたした者に効くと言う意味です。 また、時代が下がって漢の時代の漢方書『名医別録』には「小児の百病、 諸寒熱で口の開かぬ者、大人の狂癲(きょうてん)を療ず」とあり、 つづけて「久しく服すれば身を軽くし、天年を増し、人をして 忘れざらしめる」と記されています。 この意味は「こどものあらゆる病気、口も開けないほどの高熱、 大人の精神錯乱」など幅広い症状に用いることのできる薬で、しかも 「長期に渡って服用すると寿命を延ばし、物忘れしなくなる」働きも期待 できることを示しているものです。 牛黄はまさに赤ちゃんからお年寄りまで年齢を問わず効果をあらわす 貴重な薬です。 現代の中国では芳香開窮薬(ほうこうかいきょうやく)というカテゴリーに 分類されています。 よい香りを持ち、心に入って邪を除き、意識回復に働く薬と言う意味です。 ![]() おもな効能としては開窮豁痰(かいきょうかったん)・精熱解毒(せいねつげどく) が挙げられ、高熱や熱病による意識障害、炎症や痙攣効果があると されています。 とくに脳卒中や脳梗塞などの脳血管障害による意識障害に用いられる ケースが多く、これは牛黄の末梢の赤血球数を増加させる働きや、 抗酸化作用によるものと考えられています。 ![]() 単味で用いられることは勿論、さまざまな生薬、特に人参との相性がすばらしく、 日本では良質の牛黄が救心霊黄参(いずれも救心製薬)など、その薬効を 発揮させる商品が製造されています。 ![]() |