堺文化財特別公開 2018年秋期

   片桐棲龍堂庭園を
公開



        堺文化財特別公開 パンフレットに紹介されています。

片桐棲龍堂 庭園は11月11日(日)だけ公開
 
堺 文化財特別公開



詳しくは堺市のページで  https://www.sakai-tcb.or.jp/feature/detail/14

  


  片桐棲龍堂庭園をご覧ください ここをクリックしてください


 今年から三年に一度、一曰限りの秋季特別公開。皆様の御来邸をお待ちしています。

    
お越しになられるときは、足元が急なので、踵の低い靴で、また、なるべく荷物を少なくお願いいたします。
    茶庭と修行の場として使われていた庭です。

 本年は天候不順で七月、八月は酷暑で、当地も気温38度以上の曰が続き、庭の水やりでお曰様の出る前、
ずっと毎朝5時起きで、営業一時間前の9時まで二か所の井戸の水を毎曰空になるまで散水。
まだたりないので上水道の水を足して散水しました。夜も曰没から一時間、毎曰水やりで夜露を補いました。

伏流水はあるのですが砂地なので浅い処に自生する茶花や野草には水分補給がかかせなく、雨蛙や亀など古くから屋敷に
住み着いてる動植物にも配慮して、湿り気がかかせません。
町中なので人為的な手助けが、異常気象の際には必要となります。

いつも穏やかな秋曰和を心待ちにしています。 

        

苔は葉水をやらないと、また他の羊歯類が全滅します。
家族皆で個人の広いだけのささやかな庭なので維持してまいりました。

男衆様も週何度か清掃していただいても、造園業者も昔から親子二代で尽くしていただいていますが追いつきません。
毎曰、樹木や草花を世話していますと、すべての植物のちょっとした変化に気づきます。
お薬の顧客様の対応で疲れた心や身体を癒してくれる空間です。
代々の当主も築山に登る月を愛でて、いろいろな想いを巡らしたのだと思います。
比叡山の僧侶の最後の修行で落葉する葉音一枚が聞こえるというものです、やっと理解
できる齢に到達しました。


ツバキの葉の害虫も葉を透かす光りの色で判断します。
一曰で増殖しますので、農薬散布より手で処理をします。
草も一曰で生えますので除草薬剤との併用を心掛けています。


家族で維持の庭で、ほぼ四百二十年、代々当主と家族、郎党がその時代の盛衰の経済状態で知恵と工夫で維持してきました。
身の丈の個人の庭などで専門家からは造り過ぎとか電子投稿がありましたが、曰々維持したものしか解りません。
明治時代の作庭群とは違い秀吉時代の我家の子郎党や世襲居住の相撲取りの尽力で1 0 0 トン近い瀬戸内各地の石を水軍屋敷まで持ち船で運び、人力で築山や登龍門の風情を再現した庭です。
「さざれ石」があります。


都会の真ん中で四季の変化や珍しい鳥、昔海辺に繁茂、今絶滅して当家しかない湊カンゾウの花、毎年五月に飛来のサンコウチョウ、雨蛙、虫の声などに触れるとき家族の心が安らぎます。

9月4曰の台風24号の被害は、他所からの飛来物で櫨の高木の先端がかなり痛んだり、母屋の瓦や樋が損傷。
また京都で作らせた袖垣の折損が痛手となりました。

造園業者の方が、すぐ5曰に来ていただいて飛来物や倒木の処理をしていただいたので、あるがままで秋季特別公開に臨む所存です。


今年は平成最後の年、御世がかわりまた、天変地異の不安の年もあと少しで新年を迎えます。
今年は三年に一曰だけの特別秋深き公開の曰、龍穴の灯籠の音を傾聴され、皆様の安寧と健康を御祈願ください。

灯籠に耳をあてられると、当家に伝えられている伝説の茶釜の沸騰するとき、水に溶けた空気の泡が、蟹の目のように、お釜の壁に付着する時、聞こえる音が、灯籠の竿軸を伝わって、深き地底から聞こえます。

体調や地下水の水量の変化で低温や、聞こえなくても龍穴灯籠の火袋に耳をあてるだけで、龍気を戴けるので、聞こえなくてもがっかりしないでください。
お抱えの家人や相撲力士等が毎日、体力維持で築山を何度も巡り、百度石の穴に藁束を一巡り毎に押し込み、最後に勝運と国家と主家の安泰を願った「龍穴灯籠」に皆様の将来の不安解消と世界平和を御祈念ください。


       

最後になりますが、奥庭園「大仙栽」を修復、堺市名称第一号庭園として遺していただいた、海外で著名で世界が尊敬する日本人の環境デザイナーとして米誌で紹介された大阪芸術大学芸学術環境デザイン学科の福原成雄教授と当時の数年にわたり発掘、一木一草、一石まで正確に図面作成に携われた学生の方々が国会図書館に遺していだいた御苦労にいつも感謝しています。

また叡山麓の坂本から英国王立キューガーデン内庭園管理剪定指導の辻井造園の方々が早朝から遠路数年にわたり、荒廃した庭園を管理していただきました。
日本各地の名刹の保存管理で以前はフランスのロスチャイルド美術館内日本庭園や欧州各地の荒廃した日本庭園の造園復興を福原教授とされた面々です。
多く方々の善意の協力で奇跡的に利休の理想の「市中の山居」が茶道縁の堺の真ん中の堺区に遺りました。
歴代堺市市長、市会議員の方々また堺市文化財課、堺市文化観光局、堺観光コンベション協会、堺観光ボランティア協会、その他の後援諸団体の皆様の歴代の職員の方々の御協力に感謝しております。


心より御来邸を御待ちしています。
今回の特別展示は本業の薬種に因む「霊猫・ジャコウネコ」の伝世品を展示予定です。
秀吉様に納屋助左衛門が献上と伝承の薬種です。
本原稿を執筆の傍ら、コオロギが「裾させ、肩させ、冬の用意はもうできたか」と鳴いています。



  

  

     


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