最近の漢方の話題と知識について


   
 漢方の最近の話題と知識を簡単に述べさせていただきます。
強い匂いや服用しにくい薬剤の形状などの古いイメ-ジは 一部を残して殆ど払拭されています。有り難いことに当家の経験知識で上市された薬物が可也ありますので説明します。

 日本の製薬メーカーではまず牛黄(ごおう)の純末です。牛の胆石で豪州産が高品質。解熱・鎮驚・鎮痙の効能があり松浦漢方及び東京大学のご協力で製造許可を取得しました。牛黄はインドの「最勝経」にも記載の薬物で、疲労の烈しい時や過去に胸部疾患に罹患した方の養生や酒毒の解法、介護の果てしなき精神疲労の支えや末期の肉体的及び心理的な苦痛の寛解に使用されますが、数年前、薬事法の改正で合法的な販売製造の中止が懸念された折、当家と東大寺の修二会と牛黄の関係や皇家の風習、また日本各地の仏教や神社での宗教行事での国家的な牛黄の合法的で安全な品質を用いた諸行事の続行困難性を説明し、行政監督諸官庁のご協力で継続できることとなりました。松浦漢方(株)も特許権利を放棄製薬会社も追加承認申請に踏みきられ、日本の数百箇所の神仏の行事が永劫に続行可能となりました。数代続く古くからの顧客様は医学用途以外に昔からの風習として、来迎の所作として本品を購入される方もございます。受注生産品となっています。

 次に伊吹陀羅尼助丸です。本品は奈良の吉野山系の修験者が好む薬品で、黄禁(おうばく)が主成分の胃腸薬で地方では百草、練り熊などとも称されています。当麻寺でも製造されています。今後日本が批准するであろう新しい医薬品の基準により、製造困難な局面が予想されるので廃業するメーカーより委譲をお受けして滋賀県の茶事指導所のご協力のもと甲賀の昭和化学様に製造委託して近代設備で製造している商品です。薬局薬店で販売する伝統薬の創薬は不可欠なのですが一般には誰も目を向けていただけません。すべてボランティアです

 健康食品としては二十数年前にチベット、中国の青海省より冬中夏草を東北の貝津先生と日本に紹介しました。当時は青海の地域は困窮な地域で本品を外鎖商品として販売して経済的に多大な貢献になりました。現在は青海冬夏泉と紅雪冬夏の二種が当店扱いで、天然の冬虫夏草が使用されていますが、西蔵の方々の恩返しで大変安価に供給されています。これも直接ご来店のお客様の特典だと恩います。市場は培養の冬虫夏草が当然です。
 紅雪は小生が考案、高山の登山者や潜水の方々に飲む酸素の異名で愛顧されています。七十代の観光団体がペルーの高地で使用、酸素不足の影響なく感謝されました。

 中国からの医薬品ですが、当家の資料で有名になったのは血液サラサラの語源となった「冠元顆粒」です。生薬製剤二号方の処方名で現在は認知症状の予防に補腎薬との併用は中国医学研鑽者の常識となりました。許可取得申請時に丹参という生薬の使用例を提出すれば許可を下ろすという提案が行政監督庁から申し渡されたのですが、わが国において当家の資料館の古代文献しか収載がなく、それを提出して許可が取得され、二十数年を経て数社がここ近年やっと製造許可を感謝状を頂きました。

 また、救心製薬(株)から「救心感應丸氣」という、現在輸入が禁止されている貴重な麝香を使った商品があります。商品開発・パッケージヘのアドバイス等を行ない、いにしえより受け継がれている生薬の妙味である動物生薬の効き目を活かしたものとなっています。ストレスの時代といわれる今あらためて必要な薬です。生薬製剤の「救心」も百年ぶりに先端技術で錠剤化に成功し、責任世代の方々の根本的な労働環境に対応する気付けの御薬として新たな使命を有する恒久家庭薬としてリニューアル上市されました。伝統薬の新たな社会要望の開発に関与して、勤労者人生の「年齢の節目」に全般をカバーできる商品が救心製薬に整いつつあり、新たな大衆薬の光明となってきました。

 他に飲む点滴の異名の生脈散、白隠禅師(びゃくいんぜんし)の知柏地黄丸(ちばくじおうがん)、良寛和尚使用の温胆湯など各種古典薬の輸入薬の資料貢献をしました。かつて江戸時代に当家で使用していた薬剤なので、いつも日本的な使用方法をお教えしています。
 また、これまで東大寺様に献上しておりました松浦漢方の牛黄純末も、本年より薬師寺様の花会式(はなえしき)への献上の栄誉を賜りました。

 薬事法の変化、販売方法等の承認の趨勢の変化による店舗の存続及び継承に対して皆様のご加護で守って参りましたが、ここ数年の製薬メーカー・薬局の存亡が危ぶまれるなか、尚一層のご協力をお願い申し上げます。