堺文化財特別公開 

     片桐棲龍堂庭園
 平成26年11月23日(日) 公開しました



 
 

平成22年7月 堺市指定文化財 名勝第1号
   片桐棲龍堂庭園

種別  名勝
名称  片桐棲龍堂庭園(かたぎりせいりゅうどうていえん)
員数  2か所〈座敷庭(大仙栽)・坪庭〉
所在  堺区西湊町3丁1−16
所有者 片桐平智(かたぎり よしとも)
法量  323.12u(座敷庭:308.81u・坪庭:14.31u)
時代  江戸時代後期

【解説】
 片桐棲龍堂は堺区西湊町3丁に所在する老舗の漢方薬専門店で、敷地内には江戸時
代後期に建築された主屋をはじめとする国登録有形文化財(平成12年10月登録)の
建造物かあり、主屋の東側には同時期に作庭されたと考えられる庭園が広がっています。



鯉魚登龍門屏風
半双・江戸時代・四条派描

この庭園は龍門瀑布の系統で、室町時代の庭園の伝統をうけついでいます。
   中国の故事の登竜門の由来である、鯉が三段の滝を登って将に龍になる様子を現しています。
登竜門は鯉が死を賭けてまで龍になるべく、努力する様子にならって、凡人が人生や
宗教上の叡智を悟るまで努力をしなければならないとことを日本庭園の散策の形で教えています。
屋敷の龍の名前にちなみ四条派の鯉が龍門を登る屏風を展示しました。
 
 摩利支尊天廟(まりしそんてんびょう)国登録有形文化財
 
腰掛待合(こしかけまちあい)
右奥に砂雪隠(すなせっちん)遺構があります
 
 
中秋の名月をすくいとるため作られています。
 
   984年 天皇に献納した国宝 医心方30巻の写真 後に半井家に渡ります
 
             半井家 医書  孔子枕中方・明皇帝拝領処方
 
 

ご挨拶
本日は秋季堺文化財特別公開にあたり、当家にお立ち寄り頂きまして誠にありがとうございます。
堺市の名勝指定となっている古い枯れ滝山水の庭園にて「龍穴灯籠の蟹眼水の音」や君が代の
「さざれ石」など、月を鑑賞する為に設計された本庭園を お時間の限りご鑑賞下さいませ。

 また、医学の始まりも堺や和泉地方を中心に展開したことをお知り頂きたく、当家の歴史と
共にレジュメ「日本の伝統漢方」にてご案内申し上げます。是非お手にとって頂き、ご一読下さい。

 なお、本公開にご来場頂きました皆様方に、この折に伝統薬の知識を今一度手中におさめて頂きたく、
いにしえには位の高い人しか飲むことができなかった「高貴薬」特に動物生薬の展示を企画
いたしました。知識を活かして豊かな生活をお過ごしくださいませ。
           
                 (有)片桐棲龍堂店主謹白