冬虫夏草製剤の現況報告


速報 冬虫夏草製剤の現況報告

 平成二十三年二月二十八日から三月四日まで中国の製薬会社より招聘を受け賓客待遇で
四川省の成都に学術シンポジウムの講演出席と新工場の視察を兼ねて参りました。

訪問した成都は人ロ約二百六十万人の西南シルクロードの拠点で、特にチべット族との交
易が盛んで、珍奇な新鮮な生薬の人手可能な場所として知られています。

今回は成都の薬科大学が春季の休暇明けの初日にもかかわらず、訪中以前に申し入れの
小生の無理な懇願をお聴き入れいただき、中国最大の生薬標本室の見学をさせていただき
ました。また民族医薬展示室も公開いただきチべット医薬の各種生薬を眼前で理解し、
現地での各種薬物の予備知識を習得しました。

そして成都市内の薬舗の探索に出掛けました。
冬虫夏草専門店となるとさすがに少なく、製薬会社の生薬担当の方の御案内で、成都市内
で一番古い薬舗と最新式の薬舗の見学を希望したいと申し出て、実現しました。

鐘氏虫草行と言う冬虫夏草専門店は入りロの大きな虫体の立体模型看板に驚きました。
中成薬の製品は一切店頭に無く、生薬専門の店なのですが、展示方法が日本と違って見事
でした。

陳列台の中に放射状に虫花輪が幾重にも段差を成して、照明で黄金色に輝いてい
ました。冬虫夏草以外に高貴品の天麻、血燕巣、長白山人参が陳列棚に燦然と配列され
ていました。

奇麗な包装の製品を購入しようと思ったですが、桁の違う価格になっていましたので当家の
資料館にあるので、単品頒布を購入希望したら断られたので、店内の冬虫夏草の写真の
許可のため、天麻の各種天然産のもの、西域古城伝説の鎖陽、天然西洋人参、二十頭の
三七人参、深山生息の雪イモリ、金当帰、当帰頭など少し買ったと思ったら日本円であっと
言う間に四から五万円になっていました。

後で成都同仁堂や徳善堂での購入に多大な影響を与えました。
さすがに女店主は撮影の許可をしてくれましたので成都で冬虫夏草の全貌を把握しました。
その後成都同仁堂、その他の店でチべット産の医薬品の購入を試みたのですがいずれも
人工麝香の表示があり、ワシントン条約に抵触しますので購入を断念しました。

高額な価格の為、冬虫夏草の天然のものは現地でも特別な商品棚で保管されていました。
当薬局で扱います天然産は医薬品の双料参茸丸、健康食品の青海冬夏泉、紅雪紅夏、
田七虫草蜂王精で、いずれも巷間販売の培養ものでありません。

安価なのはチべットの昔の時代に技術援助、製品意匠など無償で奉仕したので、
豊かになっても「井戸を掘った方々への恩義」で協力いただいてきたのです。
いつまでも好意に甘えるわけにはいかなく、近い将来市場よりは安価に提供しますが、
幾分の価格改定をいたします、諸事情を御賢察上よろしく御理解ください。
冬虫夏草の図譜示しおきます。
                          日本国   片桐棲龍堂