成都中医薬大学を表敬訪問して
 

成都中医薬大学を表敬訪問して

 今回は「冠元顆粒」発売二〇周年記念成都研修団の一員として中国の四川川大華星薬業
有限会社様より賓客として請東の招聘を賜り、参加させていただきました。
また大勢の中国の方々やイスクラ産業様の社員の随行の方々、また日本中医薬研究会会員の
皆様の御厚情で初めての飛行機の搭乗や諸歓迎行事が滞りなく終えることができました。

有り難いことと感謝しています。渡海に関しましても事前に調整のため、数度も中医師の方々
が堺に来られ状況など講義をいただき余裕を持って、成都の方々と心ゆくまで歓談できま
した。

 今回は私の専門の生薬の分野で、生きているうちにはとても見学に行けるとは正直思って
いなかった、旧成都中医学院の博物館を見学できたことです、突然の私の申し入れは予定
外で、私の我が儘だったのですが工場の生薬担当の社員の方が交渉していただき、春休み
終了の新学期の初日の忙しい日に快く、開放していただきました。

生徒の皆様や教授が解説を詳しくしていただきました。
生薬の展示ばかりでなく、医史博物館、少数民族の薬物、医薬習慣、西蔵医薬資料部屋など
整備されていて一級の医薬総合博物館の呈をなしていました。
専門的であまり面白くなかったらいけないので、私個入でひっそりと参観するつもりでしたのですが、
話が漏れてしまって、会員の方々も賛同され参観を希望されて、引き込んだ様で懴悔しています。
勿論、御慶びいただく結果となったのですが。

一九八〇年に木島博士以下の日本生薬学会の先生方が訪問された四大中医学院の一つで
今は亡き難波恒雄博士から巨入な栽培伏の御話を聴きおよんでいたのですが、実物が
標本室の入り口に鎮座していました。感激一入でした。

長白山人参の酒精浸標本瓶、西洋人参の短枝、長枝分類展示硝子瓶、丹参の産地別硝子
瓶、川大華西薬業の一味参の主原料の独味硝の子標本これは筋骨の消炎にもちいますが
日本では殆ど知られていないし、将来の商品価値のあるものです。多分薬科大学でも標本
は殆ど皆無だと推測します。

四川特産の川貝母、蛾眉山の蛾眉野黄連、雲南黄連、味黄連、雅黄連、四川巨大黄柏皮、
麝香などの硝子標本瓶も素晴らしかったです。

周恩来氏やキッシンジャー氏の参観写真も古色蒼然と飾られていました。

四川の南川の麝香鹿飼育牧場や潅県や西蔵自治区等、数箇所に麝香牧場が散在しているの
ですがいずれも、世代交替で種の保存が難しく、現状を成都中薬大学の主任教授に質問したら
三〇年かかって安定供給が実現したと回答をいただき安堵し、ワシントン条約に抵触できずに、
日本の伝統薬の麝香含有生薬含有の五疳薬の継承販売の希望が見え安堵しました。

現在韓国製造の麝香含有の牛黄清心丸は二種輸入がされています、べつに松浦薬業の
六神丸のみ、将来の事を考えて松浦敬一会長様や小生等で養殖麝香で輸入製造許可を
取得し現在に至っています。

これは麝香が全面禁輸になっても養殖という事で本品のみでも輸入可能にして過去の
麝香在庫ゼロになっても輸入できる経路を確保したいという設定で許可取得した経緯の
ものです。養殖麝香が安定供給できれば数年の内に国内の在庫原料が枯渇しても応需
できると推測しています。

 あとは西蔵天珠がてんじされていました、西蔵医学書の四部医典のタンカに記載されていて
石を削り服用の絵図を世界で始めて私が発見して話題になった法具でもあります、
瑪瑙に特殊な薬草で文字や模様を描き加熱したもので用途によって様々効果を示し、
高価なものは数千年前のもので365眼天珠などあり家屋敷が買える価格のものもあり
西蔵民族の伝世の家宝とされています。

近年類似品が市井を賑わしています。 夜間宿舎に戻っても興奮と生薬が脳幹を巡りとても
幸せでした。

本当に皆様に御礼を申しあげます。 重ね重ね会員の方々の御厚情に感謝して文稿を終え
ます。
 
                  片桐棲龍堂   片桐平智