御用十二手箱ノ内 硯箱 香蝶楼国貞画
入れぼくろのあとを繃帯代りに洩黄の布でしばる女
遊女の場合、多くは男一人を守りきれるものではなく、やがて第二の男があ
らわれてくる。そうなると初めの男につくした心中立の入れぼくろが邪まにな
る。そのために昔は灸で焼き消したものである。医療に切っても切れぬ灸に,
こんな使い道があったとは。