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チャイナビュー  No.310

        

      

  女性にとって、更年期は身体の大きな転換期。 プレ更年期世代と呼ばれる30代後半から
  40代前半になると、生理不順やほてり、肩こり、めまいなどの症状を感じやすくなり、
  経血の量の変化が現れることも。

 プレ更年期から閉経までの期間、生理には実にさまざまな変化が現れます。
 迎える更年期を健やかに過ごすためにも、生理の変化を見逃さず、中医学の知恵で
 積極的に身体を整えていきましょう。

生理の乱れは主に40代から

 「閉経」は生理が完全に止まった状態のこと。 生理のない状態が12ヵ月以上続いたとき、
 1年前を振り返って最後に生理があった年齢を閉経年齢とします。
 日本人女性の平均的な閉経年齢は50・5歳。ただし個人差が大きく、早い人は40代前半、
 遅い人は50代後半に閉経を迎えることもあります。

 生理がなくなるのは、卵巣から分泌される女性ホルモンの量が減少するため。
 妊娠しやすい年齢(思春期から性成熟期)では、「エストロゲン」や「プロゲステロン」などの
 女性ホルモンが十分に分泌され、その作用によって生理が順調に起こります。

 ところが、40代に入ると女性ホルモンの分泌量も減少するように。
 その結果、生理の周期や経血量に乱れが起こり、やがて50歳前後で生理が完全に止まります。

 女性の身体は7年ごとに変化すると中医学の古典 『黄帝内経』(こうていだいけい)にあります。
 これは、五臓の「腎」機能の充実度と関係しており、35歳頃 (7×5) から腎が徐々に衰えはじめ、
 42歳頃(7×6)には腎の衰えが顕著になり、49歳頃(7×7)に閉経を迎えると中医学では考えます。

 また、「肝腎同源」(かんじんどうげん)といわれるように、五臓の腎と肝はお互いに助け合う関係にあり、
 腎の機能が衰えると肝も影響を受けてしまいます。
 したがって、加齢に伴う生理の不調を感じたら、腎だけでなく肝も同時にケアしていくことが大切です。